No.100 2001年09月20日（木）

［９月の思い出］

（１）2000年9月24日

１年前のこの日がどんな日であったかは、こちらをご覧いただければすぐ分かる。

ドラゴンズファンの私めにとっては、耐えがたいほどの屈辱を味わった日である。

思い出すと、今でも悔しさがこみあげてくる。

今季、その雪辱を果たすことができなかったのも、本当に悔しい。

ドラゴンズよ、来季こそ、頼んだぞ！

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

（２）1999年9月26日

1999年といえば、ドラゴンズがセ・リーグを制覇した年である。

その優勝決定はこの数日後なのだが、この日の試合は、それを確信させる、忘れられない試合となった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ナゴヤドームでの対タイガース・25回戦。

その日はＴＶで観戦していた私め。

投手戦となり、２−１とドラゴンズがリードして迎えた、９回表・ツーアウト。

”あと一人”で勝利の場面、マウンドにはドラゴンズの守護神・宣銅烈＜そん・どんよる＞投手が登る。

塁上にはランナーがふたり（どの塁かは不明）。

この回はサムソン・リー＜本名：李尚勲［い・さんふん］＞投手（８回から１イニングと９回の1/3）→落合投手（0/3）→岩瀬投手（1/3）とリレーしたが、落合投手と岩瀬投手がヒットを打たれてしまったため、ツーアウトとはいえ一打逆転の大ピンチである。

タイガースのバッターは、代打・ジョンソン選手。

宣投手は、何と、そのジョンソン選手にスリーラン・ホームランを浴びてしまい、試合は土壇場でひっくり返されてしまった・・・。

（・・・あぁ〜・・・）

しばし呆然とする私め。

しかし、

（いかに守護神とはいえ、完璧に抑えることはありえない。こういうこともあるわな・・・）

（まあ、マジックは一桁＜前日の9/25現在で「７」＞だし、遅かれ早かれ優勝なんだから・・・）

と思い、負けを覚悟した。

しかし、これが、ドラマのプロローグであった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

順調に勝利していれば、あるはずのなかった９回裏のドラゴンズの攻撃。

スコアは２−４と２点のビハインド。

ワンアウトを取られた後、マウンドには、タイガースの抑えのエース・福原投手が。

（ああ、これで万事休すか・・・）

私めは半ば諦めていた。

しかし、ゴメス選手・立浪選手の連続ヒットで、ランナー一塁・二塁のチャンスを作る。

バッターボックスには、山崎選手。

このシーズン、ホームランはたくさん打っているが、好不調の波が激しかった、山崎選手。

（せめてヒットを打って繋いでくれよ、タケシ）

私めは、ＴＶの前で祈るような気持ちでいた。

ツーストライクを取られた後、福原投手の投じた外角・低めの球をたたく。

まさに、”打った瞬間”であった。

山崎選手が放った打球は、レフトスタンドへとアーチを描く！

何と何と、劇的なサヨナラ・スリーラン・ホームラン！！

山崎選手はホームベース上で、万歳のポーズで叫ぶ。

ダッグアウトからは、星野監督はじめ全員が飛び出す。

ＴＶ中継では実況アナウンサーが、

《何という試合だ！強い！！ドラゴンズは強い！！！》

と絶叫。

ＴＶの前の私めも、思わず立ち上がり、

（よっしゃぁ！タケシ、ようやった！！）

とガッツポーズ。

この勝利で、私めはドラゴンズの優勝を確信した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【1999/9/26のスコア】

阪　　神　　０００　１００　００３　　　４

中　　日　　１００　００１　００３X　　５

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

（３）1999年9月30日

先の9/26の大逆転勝利から、４日。

前日（9/29）の勝利で、マジックナンバーを「１」としたドラゴンズ。

この日、マジック対象チームのジャイアンツが敗れるか、ドラゴンズが勝てば、ドラゴンズの優勝が決定する。

ドラゴンズの対戦相手は、スワローズ。

球場は、スワローズの本拠地・神宮球場である。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ドラゴンズの先発は、前回の優勝（1988年）も経験しているベテラン、山本昌投手。

しかし、優勝決定試合というプレッシャーもあったのか、今ひとつの内容。

３回裏、一塁を守る山崎選手が山本昌投手からの送球を受ける際、バッターランナーと交錯し、左手首を骨折するというアクシデントが発生してしまう。

その後、山本昌投手は、古田選手にスリーラン・ホームランを打たれるなどして、４点を失う。

片や打線は４回表、３連続ヒットで２点を返すと、６回表にも１点を取り、３−４の１点差。

途中、マジック対象チームのジャイアンツが敗れ、ドラゴンズの優勝は一応、決定する。

しかし、負けて胴上げなどできようはずがない。

そんな思いもあったのか、味方が逆転してくれると信じていたのか、山本昌投手も４回以降は立ち直り、６回までを被安打９・失点４という内容で投げ切る。

７回表、山本昌投手の打席には代打が送られ、７回裏からは、優勝の原動力となった中継ぎ・抑え投手陣にマウンドを託すことになる。

その回、相手投手の暴投により１点を取り、ようやく４−４の同点に追いつく。

７回裏のマウンドは、岩瀬投手。

ルーキーながら、中継ぎエースとしてシーズンの半分ほどの試合に登板した、細身のサウスポー。

彼なくしては、ドラゴンズの優勝はなかっただろう。

岩瀬投手はひとつのフォアボールを出すも、奪三振２で無安打・無失点に抑え、相変わらずの安定ぶり。

そして、８回表。

井上選手のタイムリーヒットで、ついに５−４と逆転！

その裏（８回裏）には、落合投手がマウンドへ。

彼も”勝利の方程式”の一翼を担い、フルシーズン投げ抜いてきた。

また、中堅投手として若手投手からの信頼を得、引っ張っていく存在でもあったという。

落合投手は８回裏の３人と９回裏の１人・計４人の打者をきっちりと打ち取る。

続いては、サムソン投手が登板。

彼は、宣投手と同じ韓国人投手。

シーズン当初は先発だったが、途中から中継ぎへ転向し、岩瀬・落合両投手と共に勝利に貢献してきた左腕だ。

彼も、岩瀬投手や落合投手が繋いできた”いい流れ”を断ち切ることなく、打者１人をアウトに取る。

さあ、いよいよツーアウト。

マウンドには、満を持して、守護神・宣投手が向う。

彼はシーズン途中（６月中旬）、３試合連続して抑えに失敗したことから、星野監督に引退を申し出たという。

しかし、監督の、

「辞めるのはお前の自由だが、ここで逃げたら韓国のファンはどう思うか」

との言葉に目を覚ましたとのこと。

事実、その後見事に復活した宣投手は、先の9/26、逆転スリーラン・ホームランを打たれるまで、連続無失点を21試合続けた。

あとひとつのアウトで、優勝。

それを目の前にして登ったマウンド上で、彼の脳裏には、様々な思いが駆け巡ったことだろう。

その最後のアウトを取る難しさは、彼が一番知っているはずだ。

スワローズも目の前の胴上げは避けたいはずで、ヒットとフォアボールで粘りをみせる。

宣投手としては、２人のランナーを背負う苦しいピッチングとなってしまった。

次のバッターは、ホームランキングをジャイアンツ・松井選手と争う強打者、ペタジーニ選手。

一発出ればたちまち逆転サヨナラ負けという、厳しい場面だ。

最後の最後。

宣投手は、勝った！

ペタジーニ選手の打球は、平凡な内野フライ。

立浪選手がウイニングボールを大事に捕って、ゲームセット！！

中村捕手と宣投手がマウンド上で抱き合い、そこへグラウンドにいた選手、ダッグアウトにいた監督・コーチ・選手が、駆け寄る。

そして、星野監督が、宙に舞う！！！

11年ぶりのリーグ優勝！！！！

我々ドラゴンズファンが、待ちに待った瞬間であった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その日・その時、私めは、ナゴヤドームにいた。

当日は、ビジター（神宮球場）での試合ということで、当然、ナゴヤドームでは試合は行われていない。

しかし、地元ファンのために、ナゴヤドームが無料解放されたのだ。

何のためか？

球場内のビジョンで試合の中継を見て、遥か東京・神宮球場まで、声援を送るためである。

当然のことながら、ドーム内はすべてドラゴンズファン。

ビジョンに写るドラゴンズ選手の一挙手一投足に注目し、声を枯らし、メガホンを打ち鳴らして、懸命に応援する。

普段の試合ではあまり行われないウェーブも、360度すべてドラゴンズファンであるため、止まることなく何度も回る。

３回、山崎選手のアクシデントの時や、古田選手にホームランを打たれた時には、一瞬静まり返ったドーム。

しかし、ドラゴンズの勝利を信じて、さらなる声援を送る。

試合途中、ドラゴンズがリードされている時点で、マジック対象チームのジャイアンツが敗れたため、ドラゴンズの優勝は決定した。

ビジョンにジャイアンツ敗北の瞬間が映され、その後《ドラゴンズ優勝決定》の文字が浮かぶと、ドームが湧き立った。

かといって、このまま負けていいわけがない。

何としても、勝って、自力で優勝を決めてほしい。

その、私めを含めた地元ファンの熱い想いが届いたのか、徐々に点差を詰め、８回表にはついに逆転。

９回裏、ペタジーニ選手がフライを打ち上げ、立浪選手がそれを捕球した瞬間、ドームは”爆発”した。

抱き合い喜びを分かち合う人、感涙にむせぶ人、狂喜乱舞する人。

ドラゴンズファンは皆、この瞬間を待っていたのだ。

とにかく、嬉しかった。

この喜びは、体験したものでないと分からない。文章でもこれ以上の表現は難しい。

というわけで、長くなった回顧録も、この辺にしておこう（笑）

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

最後にもう少し。

当日、ただひとつ、残念なことが起きてしまった・・・。

ナゴヤドームでは、神宮球場の試合終了後、大勢のファンがネットやフェンスを乗り越えて、グラウンドに入っていってしまったのである。

私めも、入りたくなかったと言えば、嘘になる。

しかし、グラウンドは選手の職場であり、”聖地”である。

ファンである我々が軽々しく踏み荒らしてはならないのだ。

にもかかわらず、かなりの数のファンが、乱入してしまった。

つくづく、残念であった・・・。

来季の優勝時には、絶対にこんなことがないようにしたい。

・・・え？そんな心配するのはまだ早いって？

いや、でも来季は必ずドラゴンズが優勝するよ。

ファンはいつだって、そういう想いで、懸命に応援してるんだから！

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【1999/9/30のスコア】

中　　日　　０００　２０1　１１０　　５

ヤクルト　　００４　０００　０００　　４

No.099 2001年09月14日（金）

［９月１１日］

といっても、多くの方は

「何？何かの記念日だったっけ？」

とお思いかもしれない。

しかし、わずかとはいえその被害に遭い、信じられない光景を目の当たりにした私めにとっては、忘れることなど、できない。

あの大水害”東海豪雨”から、9/11で早くも１年が過ぎたのだ。

１年が経ち、改めて、災害の恐ろしさを認識している、私めである・・・。

なお、こちらをご覧いただければ、その時の状況（のごく一部ではあるが）が、よくおわかりいただけると思うので、お暇な方はぜひ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんな、忘れられない9/11朝（現地時間。日本時間では9/10夜）、アメリカでは信じ難い出来事が起こった。

皆さんご存知のとおり、同時に幾台もの飛行機がハイジャックされ、ニューヨークの超高層ビル・ＷＴＣやアメリカ国防総省・ペンタゴンに突っ込むという、テロ事件だ。

アメリカ繁栄の象徴ともいえるビルに、神風特攻隊のごとく飛行機が突っ込み、数時間後にはもろくも崩れ落ちるという、まるで映画のような光景に、わが目を疑った。

そして、イデオロギーの違い・宗教の違いが、ここまでのことをさせるのかと、恐怖さえ感じた・・・。

かなり遅まきながらではあるが、この場で、この許し難い事件に巻き込まれて亡くなった方々（おそらく数千人の方が犠牲となられただろう）とそのご遺族に、謹んで哀悼の意を表したい。