＝凡例＝

◎頁数・・・いわゆる”トビラ”を含む

◎初出

　○すべて『ビッグコミックスペリオール』（小学館）

　○初版・・・”初版：yyyy/mm/dd”と記載

　○店頭発売日・・・”yyyy/mm（/dd）発売”と記載

　○”初版”および”発売”の記載がないものは、すべて”号数”とする。”号数”の記載方法は以下の通り。

　　●”号”や”vol.”は省略

　　●”ｙyyy/mm”または”yyyy/mm/dd”・・・誌に表記の号数

　　●”yyyy.n”・・・誌のその年の通し号数

＝評＝

家庭を顧みず仕事に没頭する典型的なサラリーマン・加勢晴夫＜かせ・はるお＞の目の前に突如現れた 、女の子の幽霊。

彼女は加勢に対して「加瀬クンをハッピーにしてあげるからネ」と言います。

その後、彼女の正体が、加勢が中学生の頃に夢中になっていたアイドル歌手・夢野 ＜ゆめの＞すみれ（幽霊なので当然亡くなってます）だと分かります。

彼女が現れてから、加勢の周りには様々な出来事が巻き起こります。

妻子との別居（妻の仕事の関係ではありますが）、同僚の佐藤ひろみとの不倫、ヘッドハンティング・・・

それらについて、すみれは協力を惜しみません。加勢をハッピーにするために。

（不倫に協力するなんて不謹慎な幽霊だけど（笑）・・・いや、幽霊でなくても不謹慎だ（笑））

そして加勢は、すみれに対して、恋愛感情とも愛情とも言えない複雑な感情を抱き、すみれを守るために。。。

長々と紹介しましたが、本作は単なる幽霊譚ではなく、仕事、家族（妻子）、恋愛（不倫）、子供の頃夢中になったことへの想い、アイドル歌手とマネージャのそれぞれの苦悩、そして”ハッピー”など、様々なテーマが読者に与えられています。

私め個人としては、先生の数ある作品の中でも、イチ押ししたい作品です。

特に、すみれが○○するラストシーンは、今読み返しても胸が熱くなります。

○○がどんなことかを知るためにも、ぜひぜひ読んでください！！

なお、本作より掲載誌が「スピリッツ」から「スペリオール」へ変わり、対象年齢層が上がったためか、作中のキャラクタの年齢も上がっています。

既婚者が主人公というのは本作が初めてのはずです。（未確認の読み切り作などがあれば別ですが）