＝凡例＝

◎頁数・・・いわゆる”トビラ”を含む

　※連載・・・『ビッグコミックスピリッツ』（小学館）　1990/10/22号から　1993/04/05号まで（各話の”初出”は省略した）

＝評＝

本作は、星里先生最大のヒット作であり、代表作といえましょう。

また、全10巻・119話と、先生の作品の中でも最長（※1）の物語です。

東京で暮らすサラリーマン・不破雷蔵＜ふわ・らいぞう＞は、住んでいるアパートの狭さに耐えかね、引越しを決意します。

彼の勤め先も同時期に移転することとなったのですが、移転先のビルが手抜き建造物と判明、彼の新居に会社が”転がり込む”羽目になってしまいます。

そして、新入社員として地方から出てきた女の子・氷山一角＜ひやま・いずみ＞。

ところが東京には、15歳の彼女がひとりで住めるところなどなく、雷蔵の新居で10歳年上の彼と同居することとなります。

かくして、若い男女と会社との”雑居生活”が始まったのです・・・

まさに、星里先生の本流である”男女雑居型ホームコメディ”です。

なお、連載開始（1990年頃）当初、世間はバブル絶頂期だったのですが、その後、連載途中でバブルがはじけてしまい、ストーリーも変更を余儀なくされたそうです。

劇中、雷蔵といずみの勤める会社は、”バブル景気終焉のあおり”という設定で倒産してしまいます。

しかし、そこからそれぞれが目指す道やそれを見つけるまでのエピソードは、作品を単なるドタバタコメディに終わらせず、より奥深いものにしています。

もしも、バブルがはじけず好景気が続いていたら、どんなストーリーになっていたのか・・・なんて考えてみるのも一興です。

余談ですが、第3話で雷蔵はナミフク社長からロフトベッドをプレゼントされ、「俺は海兵隊の訓練生か」「こんな空中で寝られるか」などと言っています。

私めも最近（2007年3月）ロフトベッドを購入（※2）したので、改めて不破君に親近感が沸いてきました。

でも私めは、空中就寝を満喫していますし、海兵隊に召集されたりもしてませんが（笑）

　※1　2007年3月現在

　※2　詳しくはこちらにて。